ゲノム情報に含まれる遺伝子情報は最終的にタンパク質へと合成されて完成します。真壁研究室ではこのタンパク質の立体構造が形成する仕組みを明らかにして、新しいタンパク質分子を作り出すことを目指しています。これが実現すると自然には存在しない新しい機能を持ったタンパク質を作り出すことも可能になります。
自己組織化した蛋白質線維の構造を模倣した蛋白質の設計
ペプチドや蛋白質は自己組織化して微小なアミロイド線維を形成する。このアミロイドの骨格構造を模倣したモデル蛋白質を用いて、詳細な構造や蛍光色素の結合を評価している。
蛋白質のドメインスワッピングを誘導する蛋白質設計(奈良先端大山中先生、廣田先生との共同研究)
蛋白質のドメイン構造が入れ替わって形成する、ドメインスワッピングを自在に誘導する蛋白質設計を行っている。
抗体断片の連結による二重特異性抗体構築(東京農工大学浅野竜太郎先生、大阪市立大学中西猛先生、東北大学梅津光央先生との共同研究)
蛋白質連結酵素を用いて抗体断片の連結(Protein Trans-Splicing, PTS反応)を行い、異なった二種類の抗原に同時に結合できる二重特異性抗体の構築を行っている。
生合成と有機合成の融合による非天然アミノ酸をもつ蛋白質の構築(山形大学今野博行先生との共同研究)
インテインによってチオエステル末端構造を生合成蛋白質に導入し、ペプチド固相合成によって有機合成した非天然アミノ酸を持つペプチドと融合(Expressed
protein ligation, EPL法)させた蛋白質を作っている。
多ドメインタンパク質の構造形成機構
複数のドメインからなるタンパク質OspAの構造形成機構についてOspAをモデルとして速度論的測定法を用いて解析を行っている(JMB 2018)。